元農水次官に懲役6年の実刑判決が出たというニュースを見た。
裁判官が「体に気をつけて」と言ったそうだ。
懲役8年から6年に減刑された。
執行猶予のつく判決にならなかった。
ニュースを見ていて、不思議に思うことがある。
精神科医のコメントも、引きこもりの親の会のコメントもないことが不思議だ。
家庭内暴力にどのように取り組むかは、重要課題のはずだから・・・。
古い記憶が甦る。
10何年も前のことだけど・・・、
当時、私は適応指導教室という不登校に対応する施設で働いていた。
引きこもりがちな児童生徒に関わっていた。
西日本新聞に引きこもりの親の会が立ちあげられるという記事を見つけ、
親の会立ちあげの会場へ行ってみた。
会場は、藤崎バスターミナルの近くだった。
九州中から多くの人が集まり、会場に入り切れないほどだった。
高齢の親たちが集まっていた。
私だけ異質な存在だった。引きこもりの子を持つ親じゃなかったから・・・。
立ちあげられたのは、KHJ楠の会という名の親の会だったかな・・・。
記憶が古くなり、かなり忘れている。
今思い出せるのは、引きこもりの問題で悩んでいる人が
ものすごくたくさんいるということ。
子どもの不登校から、引き続いて引きこもりの問題へと続いているということだ。
小中高校で不登校でも、大学に進学しているという希望的な話を
不登校の親の会で聞くことが多かったが、
はたして大学進学が問題の解決した結果になるのかという疑念を持っていた私は、
引きこもりの親の会を見て、大学が子どもの居場所になり得ないという答えをもらったような気がした。
当時、学校の先生方には、不登校は当事者である児童生徒と親の問題であると言い切る人がいて、
適応指導教室に反感を持つ人は少なくなかった。
今は、違う空気になっているだろう。
が、もっと、他人事でないと思ってくれる人が増えて、
引きこもりや不登校について、普通に話題にしたらいいなあと思う。
「実はうちも悩んでいるんですよ」と言えるような世の中になったらいいなあ。
家庭内暴力についてだって、話題にできたらいいのに・・・。
ニュースによると、元農水次官が息子にコミケに出てみないかと誘い、
二人で息子が作った冊子を売ったそうだ。
かなり大変なことだと思った。
自分で作ったものを売ることができたなんて、すごいと思った。
ただ、気になったのは、親から勧められてのことだったということ。
ゲーム漬けの生活になってしまったことについては、ニュースで触れられていなかった。
もしかして、ゲーム依存症になってしまった?
生活がすさんだのはゲーム依存のせい?
分からないことだけど、
ゲームについて、どこかに相談できなかったのかな?
誰かに話すとか相談するとかって、できなかったのかなあ?
九州で引きこもりの親の会が立ちあげられたとき、たくさんの親たちが集まったのを思い出し、
東京だったら、もっと親たちが集まりやすいだろうに・・・そこに、行けたはずなのに・・・と、残念に思った。