細川貂々さんのご主人・望月昭さんが書いた本。
アマゾンで買おうかどうか迷ったが、買う前に図書館で探して見つけた。
2008年に出された本。
うつ病に至る経緯や療養のために会社を辞めるという決断の背景が分かった。
元々、望月さんは「自分は会社勤めに向いてない」と思っていた。
自由に使える時間を必要とする人だった。けれども経済的な安定を求めて正社員になると、仕事を続けることに難しさを感じたり、オーバーワークでうつ病という病気にかかったりした。
会社での仕事についてだけでなく、幼少期の様子やアレルギー体質についても、生きづらいというか、大変な思いをしてきた人なんだなあと思った。
細川貂々さんの漫画家としての下積み時代についても書かれていた。
漫画家として稼ぐのは大変なことだと分かった。
デビューするのはとても難しい。
デビューできたとしても、印刷されるのは描いたものの1割だったり、原稿料が1年で20万円以下だったりと、漫画を描き続けること自体が難しいことだと分かった。
望月さんは正社員として働くも適正に疑問を感じて転職したり、フリーランスで仕事をしても上手くいかず宅配便の仕分けのアルバイトをしたりと仕事は上手くいかない。
けれども、イグアナという手のかかるペットを飼い始めて、再び経済的な安定を求めてIT企業に就職する。
貂々さんも、漫画の仕事が増えて順調のようだった。
「これで幸せなれる」という好調なときに、望月さんのうつ病発症。
読んでいて、胸が痛くなった。
会社は、使えないと判断した社員をリストラし、残った社員は便利に都合よく使われる。会社は給料を払って社員の生活を支えているんだろうが、社員の幸福に無関心なんだなあと思った。
自殺未遂の様子が詳しく書かれていたりと、本の内容は深刻なんだけど、
夫婦の支え合いがしみじみと伝わってきた。
主夫がどんな気持ちでいるかを知りたくて読んだ本だが、
「愛情」について考えさせられた。
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