歴史が好きなのに、自分に受け継がれていることを知らない。
死ぬ前に、家族の歴史を調べておきたいと思うようになった。
母方のことをほとんど知らない。
ざっくりと、祖父が憲兵だったことと満州にいたことくらいしか知らない。
そもそも、憲兵が何なのか知らない。
映画やドラマに登場する憲兵は、人々の思想をチェックする嫌なやつら。
悪魔の手先のように描かれている。
本当にそうなの?
疑問に思っているのに今まで調べてこなかった。
で、ちょっとだけネットで調べてみた。
そもそも祖父はどのようにして憲兵になったんだろう。
ウィキペディアによると、「陸軍憲兵学校」という憲兵養成学校があったそうだ。
応募する者は小学校卒が大半で、難関だったという。
陸軍憲兵学校は、スパイ養成機関である陸軍中野学校の隣にあった。
10か月、試験に合格した者が学ぶ。
その内容は、
憲法・行政法・警察法・陸軍刑法・海軍刑法・刑事訴訟法・陸軍軍法会議法
海軍軍法会議法・民法・国際法・社会学・法医学・外国語・剣道・柔道・馬術・捕縄術
ウィキペディアを読んで、祖父の姿を想像してみた。
祖父の写真を見たことがないので、ネットにある憲兵のモノクロ写真が思い浮かんだ。
ウィキペディア以外にも探して読んでみた。
思想の取り締まりをする嫌な人たちではなく、
軍隊・軍人が悪いことをしないように取り締まってたと知った。
そうであるなら、陸軍の人たちが起こしたクーデターの鎮圧にも関わったんだろうか・・・。
疑問はいろいろ湧いてくる。
なんで、ドラマや映画で、憲兵は悪役として描かれるんだろう?
陸軍に入隊して、上司に推薦されるなどして陸軍憲兵学校を受験し、
10ヶ月学んで「悪役」になるなんて・・・辻褄が合わないよね。
地道に努力する人でなければ、憲兵になれないのに・・・。
何か変だ。
祖父が気の毒だ。
努力してきたのに、戦争が終わったら、世間は手のひらを返して
蔑んだのだから。