動揺してしまった。
人前で話すことやメディア対応・記者会見が苦手なことを理由にして
引退してしまったら嫌だなあ・・・と思った。
引退しないのだなと安心した。
うつ病は治る病気だと言われているが、
簡単じゃない。
私は出産後にうつ病になり、5年ほどで回復したが、
子どもたちが高校生のころに再発した。
それからは、ずっと治療中。
一番苦しかったころに比べたら楽になったが、
病気が治ったわけじゃない。今も治療中。
死にたい気持ちは小さくなり、
人生を楽しもうという意欲はある。が、治療中だ。
対人恐怖のため、人と積極的に関わることができない。
人と会話が弾むと、「話し過ぎたのではないか」と不安になる。
人前で話す以前の問題を抱えているようだ。
病気が治るのを望むより、病気と共に生きようと思い、
障害者手帳を取得した。
障害者として生きようと思ってから、病気を引き起こした根っこにある問題が分かってきた。
が、社会的な活動に参加してみようという意欲には、到達していない。
うつ病は厄介な病気だと思う。
病前の元気だった頃には戻らない。
病気からの回復は、倒れた植物が、倒れたまま枝葉を伸ばして花実をつけるのに似ている。
ただ、病気からの回復に取り組んで身につけたことは確かにある。
自分に対する批判を鵜呑みにしなくなった。
「あなたは、そう思っているのですね」くらいに受け留めるようになった。
「思いやりがない」と言われたら、「そう言うあなたは、思いやりがあるのか?」と質問返しするようになった。
「どうして〇〇しないの?」と言われたら、「今度、あなたがやってみてください」と
突っ込みを遮るようになった。
病前の自分は、批判対応しようとしてなかったから、
今の方が、それについては育っている。
倒れても、生きていればそれなりに成長するものだね。
大坂なおみさんが、元気にプレーする様子が見たい。
ただそれだけ。
ソーシャルメディアでの発信や記者会見より、
生き生きとテニスをする姿を見たい。
早く見たいとは思わない。
ゆっくり、じっくり、コツコツと取り組んで元気になってほしい。