スーパーの入り口の前に野良猫の黒ちゃんが座っていた。
お客さんの出入りがあるから、私は黒ちゃんを別の場所へ誘導しようとしたが、黒ちゃんに意味が通じなかった。
私は黒ちゃんの脇の下に手を突っ込んで持ち上げ、いつもの居場所へ運んだ。
持ち上げられた黒ちゃんは両手両足を前につき出して、指先までも伸ばしていた。
爪がピンと出ていた。
もしかしたら、黒ちゃんはすごく緊張したのかも。
黒ちゃんは暴れなかったから、鋭い爪が私に当たることはなかった。
ネコの爪を見て、ネコが人を傷つけるつもりはなくても、当たっただけで皮膚に食い込みそうだと思った。
黒ちゃんを持ち上げてケガしなかったのは運が良かっただけかもしれない。
鋭い爪は見ただけで怖かった。
可愛いけど気をつけなくては。