Aさんが亡くなって1カ月以上過ぎた。
夫の話から私の知らなかったAさんの事情を知った。
Aさんの部下だった人がAさんの遺品を整理して時計などを遺族に届けたそうだ。
自転車が趣味だったAさんは職場に自転車を置いていた。
遺族は、自転車は捨てて欲しいと言ったそうだ。
自転車は値打ちのあるもの。
捨てるのはもったいないと夫は思ったそうだ。
部下だった人は、自転車を売ってAさんの借金返済にあてるそうだ。
Aさんは自転車仲間から借金をしていたという。
Aさんはマンションや車など、高額な買い物をしていた。
なぜそのような消費活動ができるのか、私ら夫婦は不思議に思っていた。
Aさんが亡くなって、持っている以上のお金や借金で消費活動をしていたと分かった。
行動にブレーキがかからなかったのは、なぜなんだろう?
借金返済のために借金して首が回らなくなったとしたら、弁護士に相談して解決することができたのではなかろうか。
生活を変えるチャンスが得られたかもしれない。
亡くなってから、こんなことを書くの、虚しい。
私が元気だったころ、自殺防止についての講演会に参加していたのを思い出す。
お金に困っているのにギャンブルが止められない人から話を聞いても、聞くだけで無力だったことも思い出す。
その人は、今、生きているだろうか?