義父は住んでいる家と土地を抵当に入れて信金からお金を借りていて、他にもカードローンを抱えている。
年金支給日の前日に信金から電話がある。その翌日に義父は信金へ行き、年金全額を借金返済にあてる。なので、他の借金が返せない。税金や健康保険料も未納のまま。
この話を聞いた民生委員も役所の人も、どうやって暮らしているのかと驚く。
夫が食べ物を届けていると聞いて、民生委員は、夫の優しさで命をつないでいる状態ですねと言った。
義父本人は「困っているからどうにかして借金を返済したい」とは言わず、ただ、家を手放したくないと言うだけ。
現実が分かっていない。これが認知症の症状なんだろうか。
夫は毎日義父に電話して食べたいものを聞いて届けている。困らないように気を配っているのだが、借金を重ねている状態を困っていると認識しないのは、もしかしたら食べるものに困らないからなのかと夫は思うようになり、数日、電話することや食べ物を届けるのを止めてみることにした。
優しく接することや食物を届けることが、現状の把握を妨げているのかもしれないという考えだ。
私にはそれが正しいことかどうか分からない。でも、夫の気遣いや優しさは義父にとって都合が良いだけだと思うから、距離を置いてみる試みは悪くないだろう。
ふと、職場に出入りしていた業者を思い出す。昼休みになると、健康食品や生活用品、書籍等を販売する人が来ていた。
仕事で忙しく、店で吟味して買い物をするのが難しかった私は、それらの業者から買うことが多かった。特に書籍を多く買った。子供用の絵本も買った。かなりの金額を費やした。
今振り返ってみると、業者にとって都合の良いカモだったと思う。なんであんなに無駄遣いしたんだろうと後悔している。
考える時間が仕事にばかり向けられていて、生活に向ける時間が少なすぎた。
子どもがアレルギーやアトピーで困っていて、よい洗剤がある、よい食品があると話しかけてくる人が何人もいて、私は保育所の先生からカモミールの入浴剤を買ったり、小学校の先生を退職した人から栄養補助食品を買ったりした。が、それらでの改善はなかった。
従姉がアトピーに効くからと栄養補助食品を勧めてきたことがあった。返事を渋っていると、治したくないの?と言われ、口論になりそうになった。
あなたのために、子どものためにと来る人が、私を都合の良いカモだと思っていたかどうかは分からない。
しかし、学校での講師の仕事を辞めて収入が半減したら、そういう人は私に接近しなくなったし、私の方から収入減を理由に購入を止めたりした。
お金が取れそうだと見られたら、売ろうとする人は接近してくるのだと思う。
義父の場合、義父からお金が取れそうだと思う人が接近しているのではないかと思う。信金やカードローンだ。信金は返済ができなくなれば別の会社から取り立てを行い、返済できなければ抵当に入れている家と土地を競売にかける。義父はお金になるのだ。
カードローンも滞納している税金等も差し押さえになり、お金になりそうなものは競売にかけられるのだろう。車を失うかもしれない。
夫はそうなる前になんとかしようと動いているが、夫の危機感は義父に通じない。
もしかしたら、危機感を捨てて距離を置いて見ていれば良いのかもしれないと薄情な私は思う。
執行官が来て差し押さえになれば事の重大さは分かるはず。
カードローンの返済をしていないから、そうなる日は来るだろう。
市役所に夫はとりあえず1万円払ったが、差し押さえがなくなるのではなく、時間稼ぎをしただけ。義父が役所と連絡を取り合わなければ差し押さえになるだろう。
カードローンの会社や市役所は何を差し押さえるのだろう?家や土地も差し押さえるのか?
複数から差し押さえられるとして、お金になるものが家と土地しかなかったら、誰がどんな順に取っていくのだろう?
何も取るものがなかったら、どうなるのだろう?
弁護士に頼めば何とかなるのだろうか?
弁護士に頼むとしても義父の同意が必要だ。同意してくれるか分からない。
義父には夫の気遣いや優しさは通じない。
義父の家へ行くのは大変だから団地に住んでくれないかと頼むが、義父は団地を軽蔑して来てくれない。
同じところをグルグル回っている感じ。