アマゾンで宮部みゆきの杉村三郎シリーズを見つけた。「昨日がなければ明日もない」というタイトルで、話が3つ入っている。
杉村三郎シリーズにはお金持ちの登場人物が多く、貧富の格差を感じる内容が多いと感じる。
これもそうなのかと思いながら読んだ。
やはりそうだった。私は話に登場するお金持ちにはなり得ないから、話の中ではお金持ちではない登場人物に感情移入する。
公立の学校は私立受験に失敗した子どもが行くという描きかたに少し反発を感じる。
地方住みだと公立に通うのは普通なので、私立でなければという価値観が分からない。
また、ホテルスタッフが低く扱われるのにも反感がある。
でも、杉村三郎シリーズではお金持ちで賢いはずの人が配偶者の傷つきを考えずに不倫をしたり、人を見下している様子が生々しく描かれていて、そんな人として駄目な様子を読むと、人としての値打ちは貧富に関係ないのだと思える。
何が面白くて杉村三郎シリーズを読んでいるかというと、貧しさや低学歴や性別などで人を見下す様子が生々しいからかもしれない。
「昨日がなければ明日もない」の中の話は、女性を見下しているお金持ちの様子が、実際にあった性犯罪と重なった。
私が思い出した事件は、難関大学の男子学生たちが女性に無理やり酒を飲ませて強姦したという事件で、加害学生は、被害者のことを学歴で見下し、傷つけてもかまわないと思っていた。貴族が横暴に振る舞うのに似ていた。
お金持ちで俺様、お姫様な登場人物が自分が犯す罪の意味さえ分からない様子を読んで、なんて馬鹿なのと怒りを感じる。
杉村三郎シリーズは面白いが読後感は良くない。嫌な気分になる。
人気のシリーズだけど、みんな、何が好きで読んでいるのかな?
杉村三郎だけは普通の感覚でいてほしいという願いは裏切られていない気がする。そこは安心して読める。