野良猫の居場所を見に行った。
雨上がりの夕方、お腹をすかせているのではないかな。
赤ちゃんのような声で鳴きながら、金ちゃんが近づいてきた。
ぐるぐると私の近くを歩き回り、私の手元まで体を伸ばしたり、バッグの中を覗きこもうとしたりと落ち着きがなかった。
私はバッグからレトルトパウチを出して金ちゃんに与えてみた。
が、金ちゃんは私の手元を気にしていた。
期待する食べ物があるようだった。
それが私から出されず、イラついているようにも見えた。
金ちゃんは私の手を見て
口をパクパク開いた。
噛みつきそうな勢いもあった。
食べ物はそこにあるよと指差したが、金ちゃんには伝わらなかった。
金ちゃんは
私の手を見て、パクパク。
何も持ってないよと、手を開いてみたが伝わらなかった。
怖くなって、私は逃げた。