NHKスペシャルでサカナクションのドキュメンタリーが特集されていた。
ボーカルの山口さんがうつ病で休養していたことについて、私は初めて知った。
山口さんは、うつ病について知ってもらいたくてNHKの取材を受けたそうなのだが、番組では、うつ病がどんな病気なのか掘り下げていなかった。
うつ病と付き合いながら山口さんが音楽活動をしていくのだというのは分かった。
でも、うつ病については伝わっていないと思う。
社会的な活動から離れてしまう孤独感については触れられていたが、絶望や死にたくなる気分の落ち込みには触れられていなかった。
ふんわりと「最悪の状況」という言い方だった。
うつ病の辛いところは、自殺の恐れがあることだ。
山口さんが、音楽活動ができなくなっていただけでなく、体がだるかっただけでなく、死にたい状態だったと伝えないと、うつ病について知らせたことにはならないと思う。
私もうつ病を患って、病前の自分に戻れないだけでなく、死について思わない日がないという気分の重さに苦しみがある。
努力ではなんともならない難しさがある。
芸能人の自殺や、労災など自殺のニュースに影響を受けてしまう。
サカナクションの山口さんもそうなんだろうと想像する。
人と話すのが好きではないのに、好きであるかのように高いテンションでステージに立つようにしなくては復帰と言われないのは、番組を見て辛いことだと思った。
山口さんは音楽に復帰するのだけど、大丈夫なのかと不安になった。
一般的な見方をして、「素晴らしい」「頑張って」という感想を書くべきなのかもしれないけど、私はドキュメンタリーを見て不安に思った。
番組で「違う自分になる」という言葉が使われていたが、病前と同じようにステージで活躍することが強調されていた。
それでいいのかな?
休み休みの音楽活動ではいけないの?