雨が降っていたから傘をさして買い物へ行った。
途中、見覚えのある姿が見えた。3人が近づいてきた。通りすがりに挨拶した。
「元気?」
と、声をかけてもらった。
3人は少し深刻そうに見えた。
3人の1人は、騒音問題の被害者だ。2人は自治会役員。
雨の中、役所かどこかへ相談に行っていたのかと想像した。
困っていると分かっているから深刻そうに見えたのかもしれない。
何も知らなければ、ただ挨拶を交わしたことしか心に残らなかっただろう。
私は騒音問題の加害者を知らない。けれども、その人に関係する噂話が耳に入ってきている。
その人は60代の女性。内縁関係にある同居の男性が倒れたが3日放置したため、適切な治療が受けられず後遺症が残ったという話を聞いた。
この話のどれくらいが事実なのか分からない。
問題の加害者であることで、悪人イメージで噂されているのかも知れない。
買い物を終えて帰る途中、近所に住む中東出身の女性とすれ違った。
彼女は戦争からの避難者。家族一同で引っ越してきたのだが、奇妙な噂話があった。
彼女をスーパーで見たという人が、
身長が見上げるほど高い。2メートル近いかもと言っていた。
確かに、たまにスーパーでは背の高い外国人を見ることがある。
しかし、話と違って、実際のその女性はそんなに背は高くなく、華奢な美しい人だ。
どうして奇妙な噂になったのだろう?
日本語が話せない避難民を怖がってのイメージから?