昨日、夫と散歩に行こうとしていたら、立ち話する団地住民がいた。
近づいて挨拶した。
立ち話していたのは自治会の役員たち。騒音問題のことを教えてくれた。
騒音を出しているのは60代の女性で認知症ではないかと言われているのだが、認知症へのアプローチはせず、被害を受けている人が団地の空き部屋へ引っ越すことで問題に決着をつけようとしているそうだ。
被害者は「結局、泣き寝入りですよね」と不満なのだ。
たまたま空き部屋があったから団地内での引っ越しができて、団地をでなくて済むのは良いことだろう。これからも安い家賃で住めるのだから。
役員の方に教えてもらったのは、以前のこと。騒音問題を起こしているお宅が、上階に住んでいた子どものいるお宅に、「子どもがうるさい」とクレームを入れ、結局退去に至ったということ。
そこに今の住人が入居し、騒音の被害を受けている。
どちらの問題でも、上階の部屋が退去・転居。
問題のある人が改めることなく、そのまま暮らす。
そうなると、そのお宅の上階の部屋には誰も住めなくなる。
入居者が来たとしても、また直ぐに出ていくことになる。
団地内に同じような部屋がある。
子どもがうるさいなどと苦情を言い、言われた側は退去せざるを得なかった。複数回繰り返され、今は空き部屋。
団地では、そこは「危険部屋」と呼ばれている。
落ち着いて暮らせない部屋。入居者がくるくると変わる部屋。
県営団地は入居の手続きをして初めて部屋を見ることができる。あらかじめ見ることはできないし、自治会に接触することもできない。評判を聞くこともできない。
問題のある住人と接しなくてはならないなんて、入居してみないと分からない。
そして、問題を起こしている住人を退去させることはできないようだ。居心地の悪さに耐えられないなら退去するしかないようだ。
過去に団地にはゴミ部屋問題があった。私らが入居したときには既にゴミ部屋があった。玄関前にもベランダにも物が溢れていたのだが、片付けを呼びかけても改善されなかった。
家賃が滞納されるようになり、強制退去となった。
家賃が滞らなければ問題は先送りされるようだ。
今回の騒音問題は住人の認知症が関係しているから、上階が空き部屋になるというだけで問題が解決したわけではない。
その空き部屋に誰かが入居すれば同じ問題が再燃する。